2020.03.05ニュース
YSCグローバル・スクール(YSCGS)では、新型コロナ感染の拡大防止を目的として、「学びの機会」の継続、「つながり」の継続、「雇用」の継続の観点から、以下の対応を行うことにいたしました。
1)「学びの機会」の継続―オンライン授業への移行
YSCGSでは、2016年秋よりzoomを使ったオンライン日本語教育事業「NICOプロジェクト」の運営をスタート。すでに通常業務の中で遠隔教育体制が構築されていたことから、高校進学や入試を控える生徒たちを中心に、ご家庭の意向やデジタル環境を考慮しながら、可能な限りオンラインでの受講に移行し、学習機会が継続できるよう対応しています。(諸事情によりこれまで通り通所を希望する生徒については引き続き受け入れを行います)
2)「つながり」の継続―自習ルーム・おしゃべりルームの開設
通常のオンライン授業では実施していない「自習ルーム」と「おしゃべりルーム」の2つを開設しました。自習ルームは、開放時間中であれば自由に利用でき、学校から出された課題や学習プリントなどを先生や友だちとつながりながら学習できます。オンラインで常につながっているので、わからない問題はすぐに先生に質問が可能です。
また、「おしゃべりルーム」は、長期間に渡って外出が制約される中での子どもたちのストレス軽減を目的に、勉強はしないけれど友だちと話したい、誰かの存在を感じていたいという子どもたちが自由に利用できるようにしました。
この他、外国人家庭や子どもたちに対して感染予防に関する基本的な情報を提供したり、YSCGS来所時には生徒・職員共に手洗いやうがいを徹底しています。
3)「雇用」の継続―リモート勤務対応
YSCGSに勤務するスタッフがリモート勤務を希望する場合、または必要と判断される場合に、事務系スタッフのみならず、指導職員(日本語教師等)のリモート勤務を可能としています。
上記3つの対応について、2週間を目処に実施。その後の状況により、可能な場合は通常授業体制に部分的、または全体的に移行を行います。
4)その他
YSCGSへのご見学、訪問などによる打合せについては、担当者よりオンラインでの開催や日程の調整をさせていただく場合がございます。ご理解・ご了承の程、お願いいたします。
・・・YSCGSには、公立学校等に在籍しながらYSCのサポートを受ける子どもたちの他、不就学状態の子どもや、15才以上の高校進学希望者など、現時点で「学校に在籍していない子ども」たちがいます。
特に学校に在籍していない子どもたちの場合は、ふだん「自宅とYSCGSとの往復だけ」の子も多く、YSCGSは彼らにとって重要な、唯一の居場所となっています。日本語の力が十分でない子どもも少なくなく、平時より社会的に孤立しがちな中で、YSCとのつながりが寸断されることは感染以外にも様々なリスクを生じさせる可能性があります。
このような子どもたちの状況を考慮し、YSCGSは「休止」ではなく、子どもたちと私たちの、そして子どもたち同士の「つながり」をいかに維持するかを最重要事項と定め、対応策を決定しました。
このように柔軟な対応を行う事ができるのも、子どもたちの学びの場を維持することができるのも、日頃よりYSCGSをサポートしてくださっているみなさまのおかげです。改めて、お礼申し上げます。
しかし現時点では、ITを活用する事でつながりや学びを維持する事ができますが、今後の状況次第ではYSCGSの運営や子どもたちの学びに長期的な影響が生じる可能性を否定できません。
外国人保護者の雇用は不安定な場合が多く、新型コロナの影響が長引けは、雇用の調整弁として外国人の失業のリスクは急激に高まる可能性があります。一時的にでも困窮する家庭が増えることも考えられる中で、YSCGSとして1人でも取りこぼしてはならない、と気を引き締めています。
日頃より、YSCGSの活動や海外にルーツを持つ子どもたちを応援してくださる皆様には、改めて、外国人やその子どもたちの置かれた状況にご注目いただき、いっそうのご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
YSCグローバル・スクール
田中宝紀